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マクロンに学ぶ日本外交の筋道

マクロンに学ぶ日本外交の筋道

 日本外交の原則が、多国間主義であるというなら、自国優先主義のトランプ戦略と戦うために、しっかり手を結ばなければならないのは、EUのヨーロッパです。多国間外交をもっとも忠実に守ろうとしているからです。EUはいま、メルケル時代から、マクロン仏大統領がリ-ドする時代に移行しつつあります。
 日本は政府もメディアも、フランスとの連携にもっと力を入れるべきです。イラン核合意をめぐって、マクロンが懸命にアメリカとイランの話し合い実現のために動いているのに、安倍首相はせっかくイラン首脳と会談しているのに、ただ座っているだけ、懸命に説得する様子はありませんでした。
 マクロンにはEUという28ヶ国の組織がついています。日本は日米同盟しかありませんから、トランプ批判もやりにくいことでしょう。しかし日本にもアジアの仲間がいます。ASEANの10か国です。
ASEMアジア・ヨーロッパ首脳会議という組織が、2年ごとに首脳会議を開いています。その準備会議はASEAN10プラス日中韓の13か国が集まります。この13ケ国は、1991年にマレーシアのマハティール首相が提案した、アジア自立のためのマハティール構想のメンバーです。この構想は、アメリカの反発を「忖度」する日本政府が動こうとしなかったため、お蔵入りになりました。マハティール首相は奇跡の復活で20年ぶりに再登場しました。日本は「忖度外交」を捨てて大いにマハティール首相と語り合う時がきたと思います。
RCEPというアジアの巨大経済会議もあります。前記の日本、中国、ASEANにインドも加わる16ケ国の経済協力機関で、世界人口の5割、35憶が参加しています。関税調整や投資規制などをめぐる交渉が、大詰めを迎えていて、近く合意が成立する見通しになっています。
トランプの一国主義に対抗することのできる頼もしい国際機関はいくつか存在しており、連帯を強化して包囲網を築くことも可能です。
 アメリカの政策アドヴァイザー、イアン・ブレマーは、NHKテレビとのインタビューで、安倍外交はマクロンの行き方を参考にすべきだと提言しました。マクロンの対トランプ外交の特徴は、歯に衣着せぬ激しい批判をしながら、必ず決裂を避けるための抜け道を用意していることです。トランプがCOP21からの離脱に踏み切ったときには、激しく批判したうえで、復帰する日が来ることを信じていると呼びかけました。トランプがイランの核合意からの離脱に動き出すと、離脱ではなく、気に入らないところを改める合意を作り直そうと提案します。マクロンが激しくトランプ批判した演説の後で、二人はしばしば強く抱き合いますし、トランプもマクロンには一目置いて、ツイッター攻撃を控えています。
 多国間主義の世界秩序を取り戻すためには、平和と秩序を願うヨーロッパとアジアの組織的な連携が必要です。*


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Fumio Banno EU Forum

欧州議会選挙の報道をめぐるFORUM

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2019年5月に行われた欧州議会選挙についての日本メディアの報道をみて、大きな衝撃を受けた。大新聞、テレビニュースのほとんどが、「中道2派過半数割れ、EU懐疑派3割に迫り混迷状態」といった趣旨の見出しを掲げた。大間違いである。なぜこのような誤報道がまかり通るのか? EU問題と日本のジャーナリズムの問題点を,個人・組織を問わず大いに討論すべきと考える。理性的な諸賢の参加をお待ちしております。ご意見は下記Comment欄からお寄せください。

伴野文夫

by eu-banno | 2019-10-19 19:07 | Comments(0)